【連続】きらめき高校吹奏楽部 ~もしきら高に歴代ヒロインがみんな居たら~  第三十三回【ブログ小説】

拍手くださった方々、ありがとうございます!何もお返しできませんが許してくだちい。

こんちはー。旅にでるとかいってましたが出てませんw
出るのはまた近々今度になりそうですわ。


そして思うように話が進まん。どうしたらいい!?
まあいいや焦らずきゃっきゃうふふしよう。


最近モンハン3rdGをなぜかやってます。
全身ブラキXにできてぼくはまんぞくですありがとうございました。

今度はジンオウガの亜種をやってます。ぼくは引きも悪いしへたくそなのでつらいですw


さあて夕食はスペアリブだ。ひゃっほー!いただいてきまーす!

以下本文
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初心者も多いし音階すらなかなか合わないのに、今から初見で曲をやるなんていくらなんでも無茶だろう、と音楽室のいたるところから声が聞こえてくる。


「大丈夫大丈夫。ゆっくりのテンポでやるから、深く考えず楽しんでやりましょう」
華澄先生はそう言って笑うが、みんな不安と期待の入り混じった顔をぬぐえない。


ちょっと曲もやってみたい気がするけど、多分エラいことになるだろうなというのも目に見えている。みなそういったことを考えていた。


語堂 つぐみなどは「曲なんていきなり吹けるわけないじゃない」と最初からお手上げ状態だったが、光や美幸、虹野などの初心者のように「もしかしたら少しくらいは吹けるかもしれない」とプラスの方向で考えている者も居た。


今から吹く「きらめきマーチ」は、できなくて元々のつもりの合奏だ。だから、失敗しても問題はない。怖がらずにとにかく参加していくことが大事であるため、是非ここで合奏に参加することがどんなことなのか初心者に体感して知って欲しいと、華澄先生は考えていた。


直人はとりあえず、テナーとバリトンの楽譜を両方受け取ったが、語堂や美幸を先導するためにもバリトンを吹くことにした。光の横の席から、後ろの語堂の席に移動し、再びバリトンに持ち替える。


「まあ語堂さんは吹けなくて当然だし、
 もしわかりそうなとこがあったら俺のマネして
 吹いてくれたらいいけど、基本的には周りを聴いててくれて構わないよ」


語堂はそういわれて、おとなしく吹かずに聴いておくことにしたが、一応わかりそうなら後で吹いてみよう、くらいの気持ちはあったりする。美幸は初心者とは言え、現在のきらめき高校吹奏楽部の中では初めて入った初心者だ。経験日数は初心者の中では一番多く有する。


コラールの件で牧原や美樹原から楽譜の読み方も教えてもらっているから吹けないことはないし、きらめきマーチの低音ラインは例にもよって典型的な行進曲らしい四分音符のリズムが主になるので、譜読みも難しくはない。


「どう?ゆっきー吹けそう?」

そう直人が聞いてみると、拳を握って一応やる気を見せてくれた。
「わかんないけどー、がんばる!」


こういう姿勢こそ、華澄先生が求めているものだ。わからないなりに首を突っ込んでくれれば、周囲のわかる者が何とかお手本を見せてくれるはずなのだ。



休憩が終わった後、ざわざわする音楽室を静かにさせて、華澄先生の号令で合奏を開始した。
「さあ、やっていきましょう」

その笑顔は何か、この後演奏がメチャクチャになっても気にしないでいきましょうね、と言っているように見えなくもない。


テンポは通常、イン テンポで126~132のこの曲だが、今日の合奏は80のテンポ。華澄先生が先ほどまでの音階練習と同じようにハーモニーディレクターのメトロノーム機能を使ってテンポを示している。かなりゆっくり目だが、初心者がいる以上仕方が無い。


この曲は最初クラリネットとフルート、オーボエやアルトサックスなど高音のラインがシンコペーションのリズムで先陣を切った後、低音が後に続いて開幕となる。


合奏の頭、まずこの最初の数小説がなかなかうまくいかなかった。シンコペーションを理解していない者がいるらしく、全然リズムが合わないのだ。


伊集院 レイはクラリネットの仲間たちの中にあって、密かに「楽譜の読み方なんてあまり勉強してこなかった。まずい…」と心中で苦く思った。これまで彼は基礎練習を毎日プロの講師に教わってきたが、まだ曲がどうのこうの言う前の段階なので、楽譜の複雑なリズムの読み方は学んでいない。


シンコペーションのリズムは裏拍をつかめなければ正確に捉えられない。これまでそんな難解なリズムを教えてもらっていない伊集院にはわからなかったのだ。同じように星川や水無月も頭の上に「?」の文字を浮かべるようにして楽譜を食い入るように見ているが、どうやらわからないらしい。


先生はこのリズムをハーモニーディレクターで弾いて皆に示す。これなら、初心者でもリズムがわかる。伊集院も助かるというものだ。


それからもう一度、みんなで曲の頭を吹く。今度は大丈夫そうだ。わからないリズムもかい摘んでやっていけばいつかは全部読める。


そうして高音域ができたら、今度は品薄の低音パートが追いかける。こちらのリズムはさほど難しくないので皆理解したらしく、止めることはなかった。しかし今の低音パートはたった4人。しかもうち一人は今吹いていない。なのでほぼ直人と美樹原が正しく吹いたそれに美幸が隠れるようについていっただけとも言える。


それからさらに品薄のトランペットとトロンボーン、それと中音のホルンが加わっていく。そこまでこの金管のラインも問題はない。8割が経験者だからだ。


問題は高音域で、今は詩織しか吹いていないフルートや、実力のある片桐とそれによくついていっている光のいるアルトサックスはまだいいのだが、クラリネットが問題で、正確に吹けているのは牧原だけだった。


白雪もそこまで譜読みに自信がないらしく、わからないところは吹くのをやめて一旦周りを聴いてから入ったりしていたし、伊集院も同様だ。星川や水無月は、わかるところだけ吹いているような状態だ。


さほどメチャクチャな演奏ではないものの、これではまとまりに欠けるし、重厚感など皆無だ。


合奏はそのまま残りの練習時間いっぱいまで続いたが、曲を最後まで譜読みするところまではたどり着けず、練習番号でいう[C]のところで時間が来てしまった。


先生は最後に、こう合奏を締めくくった。
「…というわけで、このきらめきマーチを6月の体育祭までには吹けるように
 しないといけません。

 今はこんなだけど、しっかり一ヶ月かけて吹けるようにしていきましょう」


先生は変わらず笑顔でそう言って、練習を終える号令をかけたのだった。


あと一ヶ月かー、と直人は薄くため息をついてそう思った。まあ一ヶ月あれば吹けるようにはなるだろうけど、問題は吹けるようになっても全然人がいないことだよなあ。打楽器がいないマーチなんてゾッとするよまったく。


そんなことを思う直人だったが、今その問題はどうしようもない。
ひとまず、語堂に楽器を片付けるように促し、家に帰すことにした。


「ごめんね、今日はつきあわせちゃって。
 疲れたでしょ?」
「少しね…。でも、いい経験になった気もするわ。

 たくさんの楽器で音を重ねると、あんな風になるのね。
 音までは本じゃ学習できないから、すごく勉強になったわ」

そう言ってくれると直人もありがたい。強引に引っ張ってきた甲斐があるよ、と冗談交じりに直人は後ろ頭を掻いて恐縮そうにする。


「とにかく今日はお疲れ。また、学校でね」
「うん。それじゃあ」


語堂は星川を待ってから帰るらしい。「い、一応今日はお世話になったから、お礼言っとく」と、また素直じゃない言い方で直人に礼を言うと、楽器を片付け始めた。もう自分で楽器を片付けるのは数回目なので、だいぶ慣れてきたようだ。


それから、居残り練習をしようとテナーサックスを手にした時、寿 美幸が「ねぇねぇー」と話しかけてきた。

「あーのー…。

 美幸にー、これの吹き方をー教えてくださいせんせー」


苦い笑みを浮かべて美幸が見せたのは、「きらめきマーチ」の楽譜だ。


「はぁー…美幸ー、日曜日だからーはやく帰ろうと思ってたんだけどー
 こんなに吹けないんじゃー一応まずいかなーと思ってー…」

どうやら譜読みがあまりできなかったようで、声を低く小さくして美幸は落胆していた。そんなに落ち込むこともないのに、と直人は彼女の気をとりなす。

「ゆっきー、初めてにしては吹けてたと思うよ?
 そんなに全然できてないことはなかったけどなあ」
「そうかなー?
 でもー、美幸的にー、これはアウトなんですよー」


へぇー、意外と自分に厳しいんだ?
そこまで言われては仕方ない、せっかくやる気を見せてくれているので、直人はテナーサックスを吹くのを諦めてバリトンに持ち替え、同じ低音で教えてやろうと楽譜も用意する。


周りでは他の生徒たちも居残りで練習をしていたり、譜面台や椅子を片付けているのが見える。美幸はピアノ椅子がないと座って吹けないので、二人はこの場で練習をすることにした。


譜面台と椅子を並べて座り、二人の間にメトロノームを置いて練習をする。


「で、どっから教えてほしいの?」
「このー[A]ってところからー」


そう言ってミサンガをじゃらじゃらつけた手を伸ばし、楽譜の練習番号[A]を指差す。


「あれ?そこなの?俺、てっきりその辺吹けてるなーと思って横で聴いてたのに」
「うーん…そりゃー、美幸もタン、タン、タン、タンくらいは
 吹けるよー。

 けどー、直ちゃんやメグぴょんの音はー、
 途中で大きくしたりー、こうー…うまくいえないけどー
 前にいってる感じがしててー…」


いつ大きくしたりとかしたらいいのかー美幸ー、ぜんぜんわかんないんだよなー。と言って困った表情を浮かべる美幸に、直人は驚いて一瞬言葉を失った。


ただの譜読みの話しかと思えば、そんなグレードの高いことを要求してくるとは!しかも、そんな話を直人の方から美幸にしたことはおそらくだが、ない。自分の耳だけで低音パートの真髄みたいなものに、美幸は気付いてしまったのだ。


しかも楽器を始めて1ヶ月だ。これは本当にすごいことだ。


「すげぇゆっきー。合奏中そんなこと考えてたんだ」
「えーっ、美幸ーなんかおかしいかなー?」
「いや、マジですごい」


確かに直人も美樹原も、遅いテンポでの練習なので、おおげさにダイナミクスをつけたり「多分ここがドミナントの部分だろう」というところでエネルギーを持った演奏をしたりしていた。同じ中学出身なので、同じことを考えるのは十分ありえる。


何度も合奏中に目を合わせて、二人で「ここは攻めないでおこう」などの確認をしたりもしたし、美幸が何か感じ取るのも無理もないが、それでもすごいことだ。


「でもさ。まあ今はまだ普通に吹けてればいいと思うけど?」
初心者なら間違えずに最初から最後まで吹けるくらいで十分だ。


だが美幸は首を横に振る。
「でもー、美幸がメグぴょんと直ちゃんの足を
 引っ張るのもなんだかなー。

 それにー、楽譜を読む練習はー、ひとりでもできなくはないけどー
 こういうのはー、直ちゃんとかーメグぴょんに
 聞かないとー、できないからさー」


…まあおっしゃる通りだ。こいつ本当に初心者なのか?と直人は苦笑してしまう。自分が始めて一ヶ月の時は、こんなこと考えもしなかったけどな。


「わかった。教えるよじゃあ。
 
 けどさ、強弱とかはまた美樹原さんも含めてしっかり相談して
 決めないといけないから、簡単にしか教えないから」
「うん!よろしくおねがいします!」


そうして居残っての指導が始まったわけだが、強弱の妙は難しい。大きくする、といっても楽譜上のダイナミクスレンジを守らないといけないし、大きくすることでマルカートの音形が崩れてはいけない。


「同じ音が続いた時は、前に進む気持ちで吹いて」
「えっとー、大きくするってことー?」
「ちゃう!前に進む気持ちで吹くんです」


なにそれー、と頭を抱える美幸に、音で手本を示してやる。ただ続いている同じ音程の2個目の音を大きくするだけではなく、躍動感を持って吹かなければならない。そんなものを初心者に要求するのはやや酷だが、そのうち教えることになるのだし、今言っておいてもいいかもしれない。


何度も何度も[A]の部分だけを、二人で一緒に吹いて形や強弱を揃えたり、時にはどちらかが一人で吹いて手本を示したり調整をしたり、できてきたら早くしたりして工夫して練習した。


美幸はよくついてきた。何個も注意点が重なると「頭がぐちゃぐちゃになってきたよー!」と混乱することもあったが、最後には100のテンポで直人に言われたことを守りながらの演奏をすることができた。

すべてが守れたかというと微妙だが、それでも格段に良い、旋律に追随した低音の動きを実現することができた。


「おおー、今のよかった!
 できたじゃん!」
「うわーい!誉められたー!」


直人は誰かを教える時、できた時には素直に誉めるようにしている。しかし、ミスがあった時はそれを遠慮せずに言う。こうすればやる気を失うことなく練習が続けられることを彼は知っていた。


今日もそれは間違いなく、美幸は結局[A]の部分だけを1時間以上も練習し続けることができた。


「美幸ー、こんなに集中したのはゲームセンターの
 クレーンの時以来だよー」
そんな風に美幸は冗談を飛ばして笑う。今日の練習は達成感があったようだ。


「ああ、あれ集中するよねー。
 ってか、ゆっきーってゲーセンいくんだ?」


聞くと、嬉しそうに美幸は頷いて答える。


「うん!そんなにー毎日はいかないけどー 
 タマにー、美帆ぴょんたちとプリ撮ったりー、
 クレーンしたりー…いろいろやるんだー!」


楽しそうだな。最近そういやゲーセンとかあんまし行ってないな。中学の時、部活引退してからは何度も友達と行ったけど、きら高入ってからはあんまり遊んでないからな…。


「へぇー、楽しそうじゃん。今度俺も連れていってよ」
「あー、いいですねー!いこいこ!」


というわけで、ここで初めて直人は美幸の連絡先を入手したのだった。これまでも美幸とは何度も話をしてきたが、これだけ長く一緒に居たのは初めてかもしれない。低音のパート練習の時は美樹原もいたし、何度か教えた時も何時間も張り付いて教えたりはしなかったように思う。


これからも低音の方に行く時はお世話になるだろうし、仲良くしておきたいよな。まあ本当言うと全員と仲良くしたいけどね。ウチの部活の女の子はみんなレベル高いし。



と、そんなわけで練習も終わった。
美幸は白雪と帰っていったし、都子も虹野と寄り道をするのだと言う。


仕方なく直人は一人で帰ることにし、さっさと帰ってゲームでもするか、と早歩きで帰路を進んだ。



この時間になると、夕陽がきれいだなー。
そう思って河川敷を通っていたとき、直人はただならぬ様子の一団を見つけた。


河川敷公園の方から、ざわざわと声がするのだ。どうしたんだろう?直人は聞き耳を立てる。

すると、
「YOー姉ちゃんYOー
相手してくれYOー」
などといかがわしい連中が、きらめき高校の制服を着た女子に絡んでいるではないか。


(うわぁ、ナンパかなあれ…。
 どうしよ…助けた方がいいかな…)

頭を掻いてそんなことを思った彼は、何度かためらった後、ため息ひとつついてついに覚悟を決めると、その一団に近付いていった。


「ちょっと?女の子泣かせたらいけないって
 お母さんに教わらなかった?」

直人はそう言って不良たちにやめるよう促した。しかし、不良たちは直人に目もくれることなく、慌てふためいて一目散に逃げていってしまった。


なんだ?おかしいなと思ったが、絡まれていた女子の安否を気遣って近付く。


その時、直人は気付いた。不良たちが逃げ出したのは、俺のせいじゃない。この女の子の眼力の凄まじいこと!迫力と威厳と威圧感、すべてを兼ね揃えた驚くべき眼力は、目標を変えて直人を見据えてきた。

「てめえもやる気か!?
“あ゛”!?」
すごい目力だ。目を合わせていたら、ネコを目の前にしたネズミのようにすくみあがってしまいそうだ。…普通の男子なら。


だが直人は違う。一応は不良といわれた過去がある彼は、無意識のうちに反応してしまった。


「は?
 こっちはわざわざ助けようと思って通りがかったんじゃんか」


久々にスイッチ入ったな、と自分の中の高揚感と興奮に、懐かしさを覚えながら、はっとした。

あ、相手は女の子だ。

「…いや、ごめん。

 ほんの、ノリです。
 無事ならいいんです。

 それじゃさよなら」


そう言って、睨み返した目を、刀でも納めるみたいにいつもみたいなだらしない目付きに戻して、きびすを返した。


「おい、待てよ」
しかし、女の子は直人を呼び止めてかけよってくるではないか。ばつの悪い顔で、ほっといてくれといわんばかりに直人は応対した。


「なに?まだなんか用?」
「お前…私を助けようとしてくれたんだろう?」
「…さあ。ちょっとかわいいから声かけただけかもよ」


直人は冗談口を叩いてそう言ったが、彼女はどうやら免疫がなかったらしい。


「なっ、ばっばかにするな」
「ばかにはしてないよ。
 ふつうにいけると思うよ。


 ただ、あの目力はどうかと思うけど」


あの目…並の男ならライオンの前の小動物みたいになってしまうことだろう。だが、よく見るとロングヘアに、きりっとした大きな目がよく映える美人だ。学校指定じゃない色のベストを着てブレザーのボタンを全開にして不良っぽい装いをしているので近寄りがたい感がするのは残念だが。


「…お前、変わった奴だね。 
 私に睨まれて平気だし、きら高にも
 ちょっとは根性がある奴がいて、安心したよ。

 一応、助けてもらった礼、言っとくよ」


ふーん。普通にに話せるじゃん。直人はちょっと呆気にとられつつ、戸惑いながら反応した。


「あ、いや。俺は結局なにもしてないし。
 礼なんか言われる筋合いはないって。

 それじゃ、俺はこれで」


直人は背中を向けて手を振り、さっさとその場を去った。確かにちょっとかわいい子だったけど、助けに行ったつもりがなんともありませんでしたー、とか恥ずかしいからな…。俺がなけなしの男気を出したのがバカみたいじゃんか…とほほ…。



直人は尚のこと歩調を速めて、家路をまっすぐ行くのであった。


多分、つづく



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