きらめき高校吹奏楽部 ~もしきら高に歴代ヒロインがみんな居たら~  彼方からの言霊  

ついに令和になるまで放置していたマン


こんちは。
まあまあ、誰も待ってはいないと思うんですけど、前回の更新の直後から、とあるゲームにハマってしまい、それが久々に自分の中でスマッシュヒットしたもので、更新どころではなく余暇をほぼそのゲームに突っ込んでしまってました。


それが「ゼノブレイド2」ってゲームなんですけど、もうほんとにすごくハマってしまったので、きら高が定演まで書けて完結したら、それの二次創作も少しやりたいかもしれないなぁとか思い始めてます。もしそうなったら、こっちとは違うほむらと光を書くかもしれないっつーことですね…wあ、いや、天の聖杯の彼女らを書くかどうかはよくわからないんですけども。


とりあえず一週目をクリアするのに180時間くらいかけてしまったので、2週目はサラサラ流しながら2週目要素楽しんで、まだ飽きてなかったら3週目はレベル下げて難易度極とか全員水着にしてアホみたいなプレイとかやりたいっすね。


昔このブログで触れたかはわかんないんですけど、いや、中学生の頃ゼノサーガにハマってて、KOS-MOSもかっこよ可愛くて好きだったんですけど、ゼノブレ2ではまた現代の技術で一段とお美しくなったのに声優さんのお陰で思い出のまんま印象全然変わってなくて、すごいうれしゅうなりました。


まだゼノブレイド2には全然飽きが来ないので、また低浮上になりますが、いくらゼノブレイド2が好きになろうともきら高をほっぽり出す気はまだ無い(まだとか言ってるしw)ので、次は予定だと赤井さんと十一夜さんかなぁ、書くと思います、今回めちゃ短いですけど、ではでは。


以下本文
----------------------------------------------------

……うっせーな、ピーピー、ピーピー…。


気候もだいぶ暖かくなってきた。でも、起きられらない。寒いし、学校に行くのが辛い。今日もあそこで何度、ごめんを口にするのか。みんなの顔が、そのごめんのせいで歪むのを直視すれば、また自分は傷つくことになる。いや、他人の方が傷ついている、それはわかっている、なのに自分のことに必死で、自分の痛みにだけこんなに敏感な、身勝手極まりない自分が嫌になる。



でも都子は来てはくれない。
あの子が起こしに来てくれた時は、やっぱり気が張った。彼女が望む自分を与えたいとも思う、いやそんな都合の良い自分なんて居ないんだと教えてやりたくも思う、そういう他人への意識が、この眠気とけだるさから解放してくれたのだろう。


…いや、そうじゃない。


直人はわかっていた。そんな面倒な御託を並べなくても、答えはわかっている。都子はいつも、一生懸命起こしてくれた。布団をひっぺがして、肩だの背中だのを叩いて、枕をぶんどって、それでもダメならお小遣いをダシにして…あらゆる手を尽くして、あの子は自分を起こしてくれた。だから目が覚めていただけのことだ。



…もう俺は、そんな都子の思いやりを貰うのにふさわしくない。
いや…もともとそうだったんだ。




演じ続けることに限界が来た。糸が切れて本性を晒した自分は、もう都子とは元の幼馴染同士に戻れない。

いや、果たして本当にそうなのだろうか。



――あなたは、最低の人間よ。



…それはもう、間違いない……。




なら、どうして都子は今まで、思いやりを向けてくれたのだろう。幼馴染だから?だから詩織も、光も、こんな自分に、「一緒に帰ろう」とか「今日もがんばりましょうね」とか言ってくれるのか。


なら、きらめき高校のみんなはどうなのか。
彼女らは幼馴染ではない。サックスが吹ける高見 直人だけを必要として、認めてくれているのか?



……。いや。違う。
俺は…俺からみんなを欲したから。みんなと居られる俺で居たいと思ったから、今まで誤魔化してきたんだ…。



だがそれは、単に自分を偽っていただけなのか?

この変化は、先輩の言う、自分を好きになるための努力ではないのか?
先生の言う、自分の居場所を選択するという意思表明ではないのか?



…わからない。
いや、本当は目を背けているだけなのかもしれない。



起きて、制服のポケットに例の装置、ハザードインサイザーを仕込みながら、ベッドの脇に置いていた楽器ケースにも目をやる。



…都合の良い俺も、最低な俺も。
どれも俺の一部でしかない。力を持てば、その責任を果たさなきゃいけなくなる。


……自分で決める、それは、そういうことなのかもしれない。
どれだけのものを背負うのか、そうやって何を得て、何を失うのか…。



先生はもう覚悟しているのだろうか。
家を出て、歩きながら考えた。華澄は、先生という立場を諦めて、代わりに最後の責任を果たそうと考えているらしい。それはもう仕方のないことなのだろうか。先生自身、それは納得して、覚悟して、決めたことなのだろうか。


人のことになると、どうにかなるんじゃないかとか、もっといい未来を決められるんじゃないかとか、好き勝手なことを考えてしまう自分が本当に腹立たしい。現実が苦しくて仕方がないこと、自分なんて変えようとしても根本的なことなんて何ひとつ望むようにはならないこと、身を以って知っているはずなのに、人のこととなると、あの人は自分とは違うからとか、自分は特別落ちこぼれだからとか、体のいい言い訳と免罪符ばかりを欲するのだから。



みんなに傷や罪や苦しみが少なからずあって、けれどそれはみんなが同じということではなくて、その傷も罪も苦しみさえも、違う形、違う色、違う深さで刻まれていて、分かった気になることは簡単だけれど、本当の意味で理解することなど、不可能だ。


だったら人に優しい言葉をかけることは、無知の戯れか。
理解し合えないなら、何かの仮面を被ったまま自分を殺して、人と向き合い続けるしかないのか。


正しいことなんて何も無い気がする。
他人の痛みから目を逸らし、自分が得するように動くばかりでも、それはそれで賢いと言えるのではないか。仮面をつけたままでも、望むものがどんな形であれ得られるのなら、悪くないのではないか。



……嫌だ。



少しでもそう考える自分には、自己中心的に生きる素質が少なからずあるだろう、自己嫌悪がそう告げている。でも、それだけはやっぱり、譲れなかった。



…正しいことなんて何一つ無い。
誰かが決めた現実に照らし合わせて、似ているのか劣っているのか、勝手に決めてるだけ。吹奏楽コンクールで全国大会に出て金賞に出ることが、吹奏楽部としての最高の栄誉。だったらそれに比べて今の俺はどのくらい近いかっていうと、答えは決まってる。だから俺は頑張ってない気になる、頑張ったとしても無駄な気がする。そういうことでしょ…。


……。俺は、少なくとも嫌だと思う。
そこから手を離したら、もう“あいつ”と向き合うことは、出来ないわけで。


…だから。ワル男がやってることを、俺は完全に悪だと言えそうもない。欲しいものを手に入れるために誰かを傷つけて、人を利用して。それでも望むものがあるから、ワル男は手段を択ばない。それを全否定するのは、俺にはできない。


…俺だって人を傷つけまくってきた。

今は社会も豊かになって、今日明日にでも鉄砲や刀で殺されるかもしれない、なんて怯えなくていいし、お金を出せば食べ物も当たり前のように手に入る。でも昔はそうもいかなかったし、海外じゃそこまで安心安全じゃないってのは、なんとなくわかる。俺たちが道徳の時間に習ってきたような倫理観なんて、簡単に崩れる場所や時代が、どっかにある。


…だから俺は、何となくワル男が良いか悪いかなんて、評したりしない。

そうじゃなきゃこいつを…ハザードインサイザーを使うことなんて、できない…。





ガチャッ、ガチャッ。歩くたびに音がする。
楽器ケースの中で手入れ用具が揺れる音だけではない。左ポケットに入れた紐緒印の暴走兵器が、その存在を訴えてかけてくるのだ。



怖い。
これがあろうとなかろうと、人は簡単に、他者に消えない傷を残すことができる。それが、ひしひしと伝わってくる嫌な音が、自分の足音と同化してこびりついて、まるで何かに後ろ指を差されているようだ。


その後ろめたさが、視線に気付くのを遅れさせた。


憂いに満ちた顔色のまま歩いていた視界に、スカートから延びた細く長い健康的な脚が映り込んだ時、頭を上げて、ようやく気付いた。見られていた。


「…!」


何か息を呑むような声を残し、一目散に先へと逃げて行ってしまう幼馴染。陸上の世界で結果を残した彼女の脚は、楽器ケースを背負った自分には、追いつけそうもなかった。


――君って、小さい頃から変わらないなぁ。


――うわぁ、やっぱり君ってすごいよ!


――えへへ、今日も一緒に頑張ろうね!



……あの笑顔を向けられてたのは、俺であって、俺じゃなかった、のかな。



それでも、決めなくてはならない。
だから自分は昨日の合奏の時、あの演奏を選んだ。響野にも、片桐にも、光にも、語堂にも、そしてみんなに。自分の言葉を、意思を、今からの短い時間で伝えなくてはならないのだから。


…それでもしも光が吹部を辞めたとしたら。
……俺は…償い切れるのか……?



















学校に着いてから、どこの部活よりも早く朝練を開始した。
呼吸練、ロングトーン、それらの基礎練習を早めに切り上げて曲の練習に移行できるように渡り廊下にテナーを響かせて、いつもであれば曲の練習も15分~20分ぐらいは着手できるはずだった。


だが、ロングトーンの途中、突然に直人のすぐ傍の柵を、何者かが殴打した。高い金属音の悲鳴を上げた柵に驚いて横を見やると、余計に驚かされた。


「直人くん!!」


眼鏡の奥の瞳を怒気に震わせて声を挙げてきたのは、科学部の河合だった。練習中に話しかけられたこと、大声を上げられたことが、直人の心拍数を上げさせて、怒りとも恐怖ともつかぬ不安を胸中にまき散らす。


「…え、な、なに…」
「なにじゃないよぉ!

 どうして勝手にハザードインサイザーを使ったの!?」


何故昨晩のことを知っているのか。狼狽に直人が答え兼ねていると、河合は首を横に振って「ありえない」とでも言いたげに、怒ったままの表情で説明を始めた。


「直人くんがハザードインサイザーのボタンを押すと、
 こっちの端末にも起動が通知されるの。


 だから、もし昨日、数値がオーバーフローに達して
 暴走状態になったら……。

 
 こっちで遮断の措置を取らなきゃいけなかったんだよ!?」
「しゃ、遮断て、それ…」
「そう!直人くん、死んじゃうかもしれないんだよ!?

 意識がもしも戻らなかったら!!」


強い勢いで言われてたじろいだが、直人は「でも」と苦し紛れの逆説接続詞を口にする。急に練習を止められたことにやや苛立ちを感じているらしかった。自分がどれだけ心配されているかも気付かずに口にしたそれが、河合の顔を尚厳しいものにしてしまう。


「使うしか…なかった。

 あのまま指輪が奪われてたら、
 俺ひとり死ぬとか死なないとかそういうレベルの
 話じゃなくなっ――」
「――どっちも大きい問題だよ!!」

 
直人が死んだとして、彼の後悔や罪悪感は、どこにいくか。そう、無に帰す。ハザードインサイザーを使った際、意識が完全に消えるのと同じように、死ねばそこには何の精神活動も残らない。


「直人君が死んじゃったらわたし達、
 どうやって生き返すかも考えなきゃいけないんだよ!?」
「えっ…」



だが、生き続ける人たちは違う。
科学という、人の生活をよりよく向上させ、わからないことをわかろうとする力に携わる河合や紐緒たちは、嘆きや悲しみを、どうにか建設的な方向へと持っていくため、不可能なことを可能にするべく頑張ろうとするだろう。


二度と自分たちの発明で死者など出ないように、二次被害を食い止め、そしてどうにかしてでも、高見 直人を蘇らせたいとか、時を戻したいとか、そういうことを一生かけても成し遂げようとするかもしれない。



それだけの想像、想定が、神条一派の冨久山たちと相対した際、直人の中にあったろうか。



…結局、俺はただ。かっこよく死にたいだけなのか。
人のことも顧みずに。



そうすれば苦しみから逃れられるから?
いや、そんなことはない。自分なりに切迫した状況の中で、後悔の無い選択をしたつもりだった。


それはこの1年、きらめき高校で繰り返してきたことと何ら変わりないのではないか。部活が良くなって欲しい、みんなに楽しい部活をしてほしいとも思うし上手になってほしいとも思っていた、そうしなければ自分が誰かをまた傷つけるからというのもあるが、やっぱり自分に出来ることなんて限られているから、手の届く範囲で、それでもその手が少しでも伸びてほしいと期待しながら頑張るしかなかった。


今回もそれは、同じなはずだった。


「死んじゃったら…そこで時間は止まっちゃうかもしれない。

 でも、残された人は、その止まった時計を見る度、
 動かしてあげなきゃ、動かさなきゃって、
 ずっとずっと思い続けるんだよ…?」
「……。
 ごめん…」
「だめだよ…閣下を人殺しにしたら。

 ハザードインサイザーは、ぜったいわたしが
 改良する…!


 だから、今は使っちゃだめ!
 そのために《コネクト》リングを作ったんだから」
「うん…わかった…」

 

ぜったいだよ、と釘をもう一刺しして去っていく河合の背中を見ながら、直人は今一度、彼女の言葉を、言葉噛みしめた。


…時計は止まったままになる……。
なんとなくわかるな、それ……。



“あの出来事”の後、泣いていた“あいつ”の顔を、直人は今でも鮮明に思い出せる。ふと思い出す度、叶わなかったクリスマスのお願いごとが、あの日から続いているような冷たい風を心の中に吹かせてくる。


…あいつが元気かどうか、ずっと気になってる。

今も…。ああ、そうか…そういうことなんだな…。俺は今、無茶しちゃいけないんだな…。




そう理解した後で、今更になって気付いた。
河合の言っていたことの重みは、どこからくるものなのだろう、と。


…河合さんは、大切な人を失くしたことがあるのかな、それとも……俺みたいに…。





多分、つづく

-------------------------------------------
※余談

河合さんの言ってるあれは、ふりくたーwwのことですけど、本作で回収できるかはわかりませんwすみませんww

この記事へのコメント