【連続】きらめき高校吹奏楽部 ~もしきら高に歴代ヒロインがみんな居たら~  第二十七回【ブログ小説】

ミス!でも拍手ありがとうございます。


ミスしました。結構読み返してみるとえらいことになってる箇所とかあって、書き直しています。

文が途切れてるところとか、あとめちゃくちゃなところもあったんですよね。それと一人称のミスも激しい。つい、「私
」の人と「あたし」の人を間違えるんですよねorz

特に都子と渡井。かずみちゃんはまだ最近自覚し出したのでいいけど、多分都子はミスってる箇所がまだまだある…w

そもそもどいつが「あたし」称の人か把握できてないのがやばい。「初代」の人は全員「私」だったと思うんですよ、確か。なんか製作スタッフが一人称でキャラ付けしたくなかったとかどっかに書いてた気がするので。

でも他に誰がいるんだ?ほむらとかは多分「あたし」でだろうけど、龍光寺さんとか一文字さんとかどうだっけ忘れちまった!出す前に確認せなあかんな…。

あと、かずみちゃんのにゃはは、ってゲームのスクリプト上だと「あはは」なんですよね。最近気付きました。まあいいや。にゃははの方がかずみちゃんっぽいし。


以下本文
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放課後の練習も一端終わり、居残り練習へ入るころ、渡井は楽器を片付けた。
「時間があるうちに、父さんのお見舞いに行ってこようと思って」
渡井は直人にそう話して、彼女らしく「おつかれー!」と言い残して帰っていった。


渡井の評価は上場で、今日の「マーチ「春風」」に乱入してきた者たちは口々に「このまま入ってくれればいいのに」と言うくらいだった。

むくれていたのは片桐 彩子で、自分の中学校の時の課題曲は「春風」ではなく「ストリートパフォーマーズマーチ」だったため楽譜がわからず参加できなかったことに憤りを感じていた。

「もうー、今度あの子が来るまでに「春風」も練習しておいてやるんだから」
と、片桐は頬を膨らませて直人に話した。片桐でも参加したくなるほどだから、渡井のトランペットは及第点を越えていたのだろう。

確かにハリもあったし、パンチ力のある音だった。あれで3rdだったとはもったいないと直人も思う。…あいつの家庭の事情がどうにかなったわけではないけど、楽しそうに演奏してたし、あれでストレス解消にでもなってくれればいいんだけどな。


まだ釈然としない部分はあったが、それは自分の力ではどうしようもないことは直人にもわかっていた。ポケットに右手を突っ込んで無音のため息をつき、今度はテナーサックスの楽器ケースを準備室の棚から出そうとした。

その時、ポケットの中身に何か引っかかるものがあった。
…あっ!これ!忘れてた!

直人のブレザーのポケットに入っていたのは、油取り紙。しまった、光に渡すの忘れてた!

準備室を出て、廊下を通り、階段を降りて光が居残り練習しているところに急いで赴き、アルトサックスを吹いている光に声をかけた。

「光!」
「あれ?直人くん?どうしたの?」

急いでやってきたらしい直人の様子に、光は驚いた。そんな光に直人は謝る。

「すまん光。これを渡すのを忘れてた」
「これ…えっ?そんなに私、テカッてるかな…」

違う違う。心配そうにする光に、直人は苦笑して用途を説明する。
「ちょっと一枚出して」
「あっ、うん」

薄い油取り紙を半分に折り、更に折って、折って…。
「こんなもんかな。これをな?下の歯に巻くのよ。
 そしたら下唇が痛いの、少しはマシになるから」
「あっ…」

用途を理解して、光は恥ずかしそうに目を伏せる。
「…ばれてた?」
「当たり前だろ。小さい頃からの付き合いなんだから」

やっぱりだ。唇、痛いの我慢してた。俺の思い過ごしじゃなかったな。

「お前、小さい頃鬼ごっこの時におしっこ行きたくなっても
 よく隠して我慢してたろ。俺は知ってるんだぜ」
「えっ、あっ、もう…。
 恥ずかしいよ…。

 参ったなぁ。本当、直人くんには隠し事できそうにないよ」

照れ笑いをする光に、直人も釣られて笑う。だが、直人はただ油取り紙をあげていい格好がしたいわけではなかった。

「今度からは遠慮なく言えよ?
 我慢されると…こっちがいじめてるみたいじゃんか」
「…うん。わかった。
 今度からは、絶対言うね」

サックスは初心者が1人に経験者が2人だ。だから光はしばしば直人と片桐に挟まれて指導されている。これが光にとって負担にならないか、直人はいつも気にしていた。幸い片桐もよくわきまえていて、直人が何か教えている時に横から畳み掛けることはしない。


だが、直人と片桐が見ているから絶対にミスできない、と気負うこともあるだろう。それが直人には心配だった。できれば光には、今日の適当に始まって適当に終わった「春風」みたいな音楽の楽しみ方くらいからまず知ってほしい。いきなり厳しい世界から入ることはないはずだ。


そして、光がどんな思いであれ、悩みや痛みを直人に話すことを「迷惑に思われるからやめよう」と我慢するのが、何より直人にとってはもっとも心苦しい。

直人は小さい頃していたように、光に頭に手を置いて言う。
「何にも焦ることないからな。お前はちゃんと上手になってるからな」
「…うん」

光が5分咲きの笑顔で頷くのを見て、直人は安心したようにため息をついた。
「じゃあ、俺も楽器出しにいくわ」
「うん。ありがとうね、これ」

油取り紙を見せて、光は明るく笑ってくれた。ほんと、光はいつもいい笑顔だ。昔と変わってなくて、嬉しい限りだよ。

「ああ。弁当の借りはこれで返したからな。なーんて、はは」
冗談を捨てセリフに、直人は準備室に戻る。その背中を見ながら、光は彼に聞こえない声量でもう一度礼を言った。

「いつも、ありがとう」
でも、私だって昔の泣き虫のままじゃない。強くなってるとこ、見せたいもん。
直人くんにも、みんなにも。

だからまた無茶しちゃうかもしれないけど…そのときはごめんね、なんて…えへへ。


受け取った油取り紙は、ただのスーパーで買ったなんの変哲もないそれだったが、光にはなんとなく励みになる気がした。まるで神社のお守りみたいに、ご利益がある気すらする。何のご利益だろう。音楽かな?そんなの聞いたことないけど。ふふ。


油取り紙は所詮、炎症を防止するクッションでしかなく、これに傷を治す効果などないにも関わらず、嘘みたいにこの居残り練習の時は、下唇が痛くなかった気がした光だった。

これ持って明日からもがんばろうっと。










「――でね、今日部活でね、トランペット吹いてきたんだ」
自分の娘が嬉しそうに音楽のことを話すのを聞きながら、彼は病院食をベッドの上で食べる。

5年生存率は76%、そう医師に伝えられてからは、すでに妻を亡くしている彼は暗い気持ちですごさなければならない時もあるが、こうして娘が来てくれた時だけは違う。

真っ暗な田舎の山道を歩いている時に、ふと自動販売機を見つけ、そのあまりの明るさに安堵した時のような心の安心感…。それで病気が治るわけではない。だが、少なくとも心の平穏が訪れる。


娘は母に似て、とても元気で明るく育ってくれた。こうして看病しに来てくれては、色んな話をしてくれる。でも今日の娘はちょっと違う。

「かずみが音楽の話するの、久しぶりな気がするな」
そう言った彼は知っていた。娘が吹奏楽をしていることを。彼がまだ病床に倒れる前のこと、娘の晴れ舞台を見に行ったことが何度もある。

遠くからだと娘の姿は小さく見えるだけだし、いったいどの音が娘の吹くトランペットの音なのかはわからなかったが、ホールに鳴り響くサウンドは中学生が集まって演奏しているとは思えないほどよくできたもので、それを構成する一つの要素として娘が頑張っていると思うと、素直にすごいと思ったし、毎日頑張っているんだなと思ったものだ。


だが最近ではめっきり音楽の話は減った。学校のことと、少しやっているというアルバイトのことだけだ。


それが今日は嬉しそうに娘が音楽の話をしている。彼は理由を聞かずにはいられなかった。
「えっ、ああっ、えーと…。
 
 あっそう!あたしまだ部活決めてなかったから!
 だから今日初めて見学行ったんだ!」
「…他に入りたい部活があるの?」
「えーと、まあ、そんなとこかなあ」


こんなに嬉しそうに音楽の話をしているのに、他に迷う部活があるなんて、楽しそうに学校生活をしてくれていて安心する。激しい運動もできない体だし、音楽のことも何もわからないが、彼は父親だ。娘がどうしているか、気にならないはずはない。

「でも、父さんはかずみに吹奏楽続けてほしいけどなあ」
「えっ?」

味気のない病院食の味噌汁をノドに流した後、呆気にとられたような娘の目を見て彼は言う。

「かずみが音楽の話をするときは、本当に嬉しそうに見えるよ。
 父さん、かずみが楽しそうにしてるの見るのが本当に楽しみなんだ。
 
 時には満足にトイレも行けやしないくらいだからね。はは」
「……父さん」
「だから、こうやってお見舞いにきたときに、果物なんかいいから
 そういう土産話を持ってきてほしいな。なんて」

娘は、なんともいえない気持ちになって、涙が出てしまいそうだった。いけない。父さんの前じゃ絶対に笑顔を絶やさないって決めたんだから、だから泣いたらだめ…!

「う、うん!わかった。やっぱあたし、吹奏楽にきーめたっと!
 好きなこと続けるのって大事だよね!にゃはは!」

でも、実際に部活をするなんて無理。とてもそんな時間はないもん。

だけど、嘘を言い続けるのも…。あたし、どうしたらいいんだろ。もっと時間があれば、バイトも部活も学校も父さんの看病もぜんぶぜーんぶやるのに。

どうしたら…いいんだろ。
無理に笑った笑顔が引きつりそうになるのをこらえて、渡井 かずみは名役者のように表情と心境のジレンマに耐えるのだった。











翌日直人は、もうだいぶ学校生活にも慣れてきたことを実感しながらいつもと変わり映えしない授業の数々を受けた。授業の合間に教室を移動することがあれば、他のクラスの女の子たちにすれ違い、軽く挨拶をする。


相変わらず名前もわからないコアラ髪の女の子に、光とその親友水無月さんのペア、それから理科棟に行った時には皐月先輩にも会ったりした。


そのほとんどは部活の付き合いだけれど、こうして女の子たちと親交があるのは嬉しいな。…いちいち好雄がうらやましがってくるのが面倒だけど。


今の部活は気楽だ。以前の中学の頃みたいに、絶対に金賞を取って次の大会に行くという気迫も部員の数からして持ちようがないし、演奏の質の向上のために言い合いをすることも今のところ無い。


片桐さんとは同じ楽器ってこともあって、ああだこうだと音楽表現について議論することもあるけど、それは良い関係だ。二人の仲がそれで険悪になることはない。


まだまだ人も少ないし編成も悪い。打楽器が一人も居ないとか、マジでありえない状況ではあるけど、最近は毎日部活が楽しい。最初は片桐さんしかいなかった部活だけど、にぎやかになったな。

…ただ、4月中に部員を獲得しておかないと厳しい感もある。5月にはもうみんな部活に入るような人は道を決めてしまっているだろうから、勝負は4月にあるといっても過言じゃない。

それがもう4月も終わろうとしてる。まずいよなぁ。低音も打楽器も中音も充実してないよまだ。それにトランペットだっていない。


こりゃあ予定より早く「打楽器の好雄様」に声をかけないといけないかもなぁ。



…なんて、ずっと午後の授業の時も部活のことばっかり考えていた。
中学の時もほとんどこんな感じだったっけそういや。

昨日は渡井のこと考えてばっかだったけど、今日は部活のことばっかりか。
渡井のことは俺がどうこうしてやれる問題じゃない。これ以上考えたって、どうしようもないからな…。


―そう思っていた直人だったが、放課後の部活の時間に思いがけないことが起こった。


掃除当番を済ませて廊下でまた佐倉 楓子と出会っていくつか話をした後部活に行こうとした時、昨日と同じようにトランペットの音が聞こえてきたのだ。

…あれ?もしかしてこれ、渡井の音か?
それ以外考えられないよな…。


今日もバイトがないのかもしれない。とにかく確認しに直人は音楽室に向かった。音楽室に向かう途中の教室棟と理科棟を繋ぐ渡り廊下に、渡井 かずみはいた。昨日と同じようにパンチのある音で、ロングトーンをしている。


「渡井!」
直人は名前を呼んで駆け寄った。

「あっ、おつかれー!」
相変わらずバイトでもないのに、渡井はトレードマークの挨拶をしてくる。一応直人も「お疲れ」と返しておく。

「今日も来たんだな。
 バイト休みなの?」
「あはは、それがね…」

渡井は恥ずかしそうに頬を指でいじりながら、目線も合わせずに小さい声で言った。
「吹奏楽、入っちゃった」
「えっ!?」

嘘ぉ!?直人は思わず声を上げて聞き返す。
「お前、バイトで忙しいんじゃ…」
「それがさ、叔父さんに相談したら、学校に話してくれたみたいでさ。

 きらめき高校にはそういう制度はないんだけど、
 伊集院財閥の方で奨学金を出してるみたいなんだ。
 
 それで学費の方はなんとかなるし、父さんの入院費も
 足りない分はゆっくり返してくれたらいいって叔父さんが言ってくれてさ。

 あっ、でも生活費くらいはバイトで稼ぎますよ?
 だから、部活が終わった後はバイト!
 忙しくなりますなぁ。

 だから、今日から学校、部活、バイトのトライアスロン生活ってわけ!
 にゃはは!」

…相変わらず、すごいエネルギーだなぁ。俺も寝てばっかいないで、見習わないと。

「そっか。それじゃあ、今度は舞台の上で一緒に吹けるかもしれないんだ。
 
 …忙しいと思うけど、これからもよろしく、渡井」
「うん!よっろしくー!」

急転直下、きらめき高校吹奏楽部にトランペットが一本加わった。まさかこんなことになるとは直人も思ってもいなかったので、素直にこの展開を喜んだ。こうやって貴重な時間を割いて部活に来る者もいるのだから、ますます有意義な部活にしていかないといけないなと改めて思わされる。


他の既存の部員たちも、点呼の際にトランペットのパート(といっても一人だが)が呼ばれるようになったことを歓迎した。交友関係があった牧原も喜んだし、部員の少ない金管楽器に即戦力が入ったことを、相沢 ちとせや大倉 都子も喜んだ。


特に都子は、渡井と同じように料理が得意だ。渡井は忙しいので部活の時間にゆっくり話す時間ないかもしれないが、そのうち共通の話題を持ち合って話そうね、と自己紹介の後の挨拶をお互い締めくくったものである。


今日はそれだけでなく、これまで何度も見学に来ているにも関わらず確かな返事ができないでいた星川 真希も、ようやく入部届けを出しに来た。

「おおっ、マジで入ってくれるの?」
星川が音楽室で華澄先生に入部届けを出したのを見て、直人は彼女に声をかけた。

「えへへ、今まで色々迷って返事ができなかったけど、
 やっぱり吹奏楽に決めた!
 
 色々他の部活もまわってみたんだけど、ここが一番しっくり来るかなって」

星川はそう言って照れくさい様子で笑う。この裏表のなさそうな笑顔もあってか、他の部活を見て回った際方々から声をかけられたのだが、結局何度も見学を繰り返したのはこの部活くらいだった。

「いやー、嬉しいよ。あん時ナンパした甲斐があったな」
冗談を言って直人たちは笑い合う。星川さんは見学の時も一生懸命だったし、きっと光みたいにすぐ上手くなるだろうさ。音楽性に関する根拠はないけれど、直人は心中でそう思って、握手の手を前に出した。

「とにかく、よろしく。
 また木管楽器同士、練習で関わることもあると思うし」
「うん!改めてよろしくね!」

今日だけで部員が2人も増えたのかと思うと、意外とまだまだ「勝負の4月」は終わってないのかもな、と勝手に直人は思った。


渡井も時間作って入ってくれた。星川さんもたくさんある部活の中からウチを選んでくれた。古参の俺も色々頑張らないとな。


俺のできることは小さい。
詩織みたいに勉強も運動も部活も…とはいかないし、清川さんみたいにプロ中のプロになることも難しければ、虹野みたいに誰かを気遣う優しさもそんなに持ち合わせてない。ましてや渡井の家庭の事情をどうにかしてやるなんて天地がひっくり返っても無理だ。


俺にできるのは、光たちのような初心者を教えて、自分自身のベストのコンディションを作って上手になり続けることと、あとは廊下で女の子とぶつかってナンパ…じゃなくて勧誘することくらいしかない。小っちゃいなー。


でもそれしかできないんだから、逆に行動するほかないよな。
さて、楽器出して光と練習するかな。


自分にできることは少ない、渡井との出会いでそのことを自覚することになった直人だったが、その出会いに後悔しているわけではなかった。

むしろ、こうして部員が増えていく中で、辞めたいと思わせる部活にしてはいけないな、と改めて思うのだった。



俺も頑張らなくっちゃな…。





多分、つづく
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